息吹 テッド・チャン

単行本を積んでおくといつの間にか文庫落ちしているというパターンだが、昨今は文庫も高いので単行本でも同じか。

商人と錬金術師の門
限定的タイムマシン?、バクスターのタイムマシンと同じ物を地球に置くというのはさすがに、、まあまあ面白いけど、新しいかと言われるとそうでもなくて、何をやっても変えられない過去未来という昔からあるパターンな感じ。

息吹
人間でないところからの考察の飛躍が面白い、そもそもこの社会どうなってるのか謎であるが、、確かになるほど人間でないのをベースにすればこういう風に説明できるのだなと思った。

ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル
うーん長編というか中編になると微妙な感じ、わりとありきたりなAIペットな話になってて、著者は長いの向いてないのでは。

偽りのない事実、偽りのない気持ち
正直デジタルデータの方が改ざんに弱いので記憶の方が信用できるような感じがあるが、、

オムファロス
僅か数千年前に神によって創造された世界、うーんもっと激しい矛盾が大量に見つかりそうだけど、まあ現実より宗教的な世界観を信じられそうではあるので、根底が揺らぐようになるのかも?

不安は自由のめまい
多世界解釈の分岐を記録する装置ネタは前に同じような本があったような?まあでもこれが出来たらもっとやれることあるよね、、こんな小さな話にまとまらないというか、その辺違和感しか感じない。

全体に普通の文学側領域側のSFなので、小市民的な世界観にまとまっててそこが良いというのもわかるけど、私には向いてないというのがわかる。また文学というには小説部分もそんなに上手くないと思うけどねえ。とりあえず現代SFの最高峰は流石に言いすぎ、文学方向に売り込みたいんだろうけどどうなんだろうなあという感じ。