環境問題が世界一重要と考えることが出来る人向けの本、小説という感じではないかな、、個人的にはこの本真面目に読めなかった。無理があり過ぎてつっこみどころしかない本という感想。
とにかくリアリティのレベルの落差が凄くて読んでてがっくりする。環境問題関係は本職?だけあって凄いレベルで書かれてるんだけど、それを実現する経済、政治関係が子供向けなのがヤバい。さすがに著者も政治経済は荷が重いとわかってると思うのだが、しかし環境問題だけで描くのは無理がある以上は徹夜クオリティでえいやで書いたという感じにしか思えなかった。普通は誤魔化すべきだし、実際時間飛ばして誤魔化してるけど、その辺からあんまり逃げなかったのは偉いと言うべきなのか、無理だったというか。
まず前提として38度の熱波でインドで死者多数で世界が変わるというところから不味くて、最初たった38度と読んでて翻訳間違いか?と思ったくらい。あそこまで行くには50度とか越えないと無理では。そして最近ヨーロッパで40度とかになっててエアコン問題とかやってるのを見ると、まだ10年経ってないのにこの本の前提が崩れてて辛い。
で、とにかく環境問題優先で政治経済が回るんだけど、ヨーロッパとアメリカを一緒に出来てたり、ロシアが協力的だったり、中国が背景だったりしてヤバい。クリーンな電源、この本は大部分ソーラーパネルみたいだけど、中国無しでこの辺書くのは無理だよ。逆に電気自動車ですらあの体たらくのヨーロッパに何が出来るの?というか、イニシアティブを取ってる内容を恥ずかしげもなく書いてるのを見ると無理があり過ぎるというか、もう読んでて辛いレベル。ああ10年前はこんな内容でも良かったのかというか、欧米読者向けならこんな程度で書いていいのかという感じ。
あと経済引き締めのところ、環境問題優先でこれやったらシャレにならない程の死者が出ると思う。食事に困るレベルの人間がどれだけ地球に住んでるのかわかってるのかな?、環境貴族様の人の命の軽さは酷いなと思うしかなかった。
IT関係もなあ、ブロックチェーンとか懐かしいけどあれ大電力で環境と相いれないし、AIもちょっと書かれるけど、現在ではAIは環境の敵なんだよね。まあ全体にIT技術は環境優先の人から敵扱いされる要素が多いのに目をつぶってるなとか。他にも宇宙とか原発とか出てこないのは後書き見て確かにというか。エコな技術?だけの未来を書くとこの辺存在感無くなるんだなというか。。
しかし2020年原書出版だけど、この頃はまだトランプ2期もウクライナ戦争も始まっておらず、コロナが始める直前だったので今思えば環境ユートピアが信じられる最後の年だったのかもね。半世紀前のSFと違って現在を舞台にある程度リアリティを持って書くと10年も経たずに陳腐化してしまうのかと思うと恐ろしい。
あと実行の為にエコテロリストを容認してるのもなあ、、ドローンで正規軍が無効化されてしまうとか、いやあウクライナ戦争見ればそれはさすがにというか。
で環境優先の世界を作ろうと思ったら人類史レベルの強制力が必要で、その為にはこの本みたいな生ぬるい事では到底無理で、極端なこと言うと中国による世界統一で自由とか民主主義とかに制限加えた方が現実的と思う。
アメリカが没落して、ロシアとヨーロッパが共倒れになった後の世界とかにして、唯一超大国となった中国の強制力があれば、この本にあるような環境優先の社会の改革も可能なのではと。それが欧米ユートピア小説として良いのかになってしまうけど(笑
結論としては現実に近いのを書く本というのは難易度が高いし無理があって大変なんだと改めてわかったのが面白いところかな。。