永劫 グレッグ・ベア

大昔読もうとして挫折した本、続編と合わせて読むことに。

ベアが書いた宇宙のランデブーと思っていたが、案の定そんな工学SFみたいな展開にはならず、新しめな80年代の本なのでこのくらいやらないと、という位には話が膨らんで進む。特にこの驚異の内部からのとんでもない建造物、凄すぎて確かにSF界最大っぽい感で、クラーク読んでて安心している読者を驚かせるに十分なアイデアで凄い。それは本当。

そしてクラークが上手くいったのは本筋にフォーカスを絞って書かれたところにあると思うけど、この本は本筋周辺が多すぎて、読者というか私の見たいところが違うのが難で、、まあ長編だからというのもあるけど、しかしフォーカスを絞ってしまうと全く別の話になってしまうし、なんともし難い感。

基本的に全体に本筋の種明かしを引き伸ばしつつ、余計なところで稼いでるが上手くなくて、この本では特にそこが著者の技量とか好みが問われるところで、中途半端な冷戦思考だったり、宇宙人関係もうーんというかんじで、、、やっぱり長編小説としての出来栄えが微妙。

あとその前に読んだ本もそうだけど、欧米SFの未来における宗教ネタについて、こんな風に宗教が力を振るう世界観はかなり違和感があって、私は未来では普通に存在感無くなってると思うので、脇役であってもなんだかなあという感じ。
さらにここから続編に繋がるのが不安しか無いのだが、、