神の目の小さな塵 ニーヴン、パーネル

ミリタリー物っぽいファーストコンタクト物。まあファーストコンタクトやるのに科学者だけがそれをやるのはおかしいか。ただミリタリーっぽいのは単にパーネルだからで、この時代ミリタリーSFなんてジャンルは無かったような。

西暦3,000年代、人類の帝国は崩壊して再びーみたいな世界観で、いったん滅びてるからか科学が弱めなのはまあそうか?、スタトレみたいな感じではあるけど、原書は74年なのでそこまで近くは無いはず。

感想として、ファーストコンタクト物というよりは、長い長いスペースオペラの一幕みたいな感じで、科学的なところよりも登場人物とか物語に力がおかれてて、SFアイデアだけなら短編小説くらいの内容だけど、それを長編に伸ばして物語とした部分が良く出来ていて、SF小説をきっちり普通の小説として物語に書けばこの位は読める小説になるんだなと言う感じ。

なにしろこの小説の一番面白いところは不穏な宇宙人との会議での折衝で、法定物みたいな展開になるのが笑ってしまう。何でもありな宇宙の話のはずなのに、凄く狭い範囲にフォーカスしていて、でもそれが面白くかけているのが驚きなのだけど。

あと人口爆発の問題と核戦争の脅威とが宇宙への進出がつながってるのは70年台の空気なんだなあと言う感じ。今はもう人類の人口は増えないみたいな話になってるしね。

難点として登場人物多すぎるのと1人の人の名前の呼び方が変わることがあって、やや判別しにくい感じはあるかも。
そして大分離れて90年台に書かれた微妙な続編に手を付けるわけだが、、