重力の影 ジョン クレイマー

現役の物理学者が書いたポスドク主人公小説。まあ当人知ってる世界を書いてるんだからリアルなのは当然だが、この主人公学者にしては対人関係から何から何でも出来すぎないか?(笑
で、世紀の大発見が偶然から見つかるのは凄いファンタジーだがそれはまあいいとして、その辺の理屈の積み上げはまあまあ抑え目な感じで、ハードSFという部分は薄目な印象。

一番驚きなのは、こういうSF科学小説かとおもいきや、へんなサスペンス物みたいな展開でストーリーを続けていて、なんというか、本職でもない分野なのによくやるなあという感じで、後半の影宇宙での冒険についてもあんまり上手くないのだが、普通に読める程度に書かれているのが驚きというべきか。

個人的に面白いのは細かいディテールで、1989年なのでコンピューター関係がVAXだがその辺はしっかり描いてて懐かしい感じ。

あと思ったのが登場人物みんな頭良すぎ、研究対象以外にここまで詳しい設定は無理では、、最近のヘイルメアリーだと教師にしていて知識の範囲を広げてたが、まあどっちがリアルかだね。