10月1日では遅すぎる フレッド・ホイル

昔は有名だった本、多分未読。
冒頭からイギリス北部、スコットランドへの旅行の下りがあって、以前イギリス旅行した時にこの辺通ったなとか懐かしい感じ、
登場人物の知識階級っぷりが、実体験から描かれてるからだろうから大分凄くて、まあ一般人が妄想しても書けない小説だ。音楽家の主人公なSF小説というのも珍しいものだが、著者はこんな分野も詳しいのだなと感心する。なにしろピアノで未来人と古代ギリシアで三本勝負するという。SF部分じゃないところが想像できない小説だからね。。

肝心のSF部分は、意識と時間のところが面白くて、時間に流れなんて無くて、過去も未来も一覧にされた棚があって、そこに光が当たると意識が出現するが、その意識そのものも全部の宇宙合わせても1つしかないというこの理屈は初めて見たかも。

ただ小説としてみるとストーリーはいまいちで、最後の落ちもなんだこりゃで伏線も放置されて終わるし、最後の方の未来描写もああ昔はこんな感じの未来図だなあという感じで独自性も感じなくて微妙。

それでもこの本は何か凄いところがあって、やっぱり普通ではない、普通には書けない本だからかなと思う。