衝撃波を乗り切れ ジョン・ブラナー

しばらく前に古書店で見たときはかなりの高値が付いていたものだが、先日当時の定価で売っているのを見かけてしまい購入。値崩れしたということは、再販か新訳でもされるのかな?、まあこの位なら良いか。

感想としては、トフラーの70年の本、未来の衝撃で書かれているらしい未来、20X0年位の姿を舞台に書かれてるので、実現しなかった未来を書いてるのは古いSF小説と同じなのだが、この本の世界では前提としてトフラー本で書かれてる未来があるので、この本だけだと意味不明な未来を説明抜きで出されてしまい、おまけに独自の単語までそのまま使われてるので、とにかく読んでてわかり難い(私はトフラー本未読)

なにしろ単にトフラー本を参考にしましたという程度ではないという事で、本当に読んでる前提で書かれていて、小説の本筋とは基本的に関係の薄いディテールが大量にあり、特に未来の社会問題を扱ってるあたりは理解しろという方が無理筋。
そもそもブラナーの小説自体あんまりわかりやすくないし、翻訳も頑張ってるのだろうけどかなり無理やり感があって、新訳版が出るならどうなるのか楽しみではある。

ただ、安易に本筋だけを書いてしまうと普通のサイバーパンク小説という感じで、コンピュータネットワークで主人公はハッカーみたいなものだし、テープ虫というウイルスというかワーム?が出てきたり、75年に書かれた本と考えるとこれは凄いと思う。まあこの辺の未来予測はトフラー本に出てるのかもしれないが。とりあえずトフラーの本を探してみようかなと言う位には気に入った。