サターン・デッドヒート グラント キャリン

土星でレースでもやるのか?というタイトルだが、土星の遺跡を巡っての競争する話だった。多分未読。

主人公が考古学者なのは、この手の小説では珍しいけど、たしかに宇宙人の遺跡なんて暗号解読もそうだけど考古学者を呼ぶのが正解な感じがしてきた。

で近未来でラグランジュにあるコロニーなんだけど、ハブで物理的に繋がってるというのは珍しいけど実用的だ。宇宙船の描写とか、宇宙での軌道とか太陽系内近未来SFとして80年代に書かれた新しい本だけあって違和感が無い。ニーヴンのあれを読んだ後だからか、普通にリアルなハードSFみたいな感じさえする。

この小説で良いなと思うのは、圧倒的な土星の描写で、80年代の知識で書かれてるのもあって確かにこれは凄いなと、特に土星の環とか間近に見たらこんな感じに見えるのかと感心する。これだけでも読む価値あり。

ストーリーは主人公は中年だけど、ジュブナイルみたいな友情冒険物で、主人公がどんどん成長するのでこそばゆい感じか。まあでも割とリアルな世界観なのでこの位明るい内容でいいのかな。最後の方の迫力も凄い良く出来てて驚いたくらいで、名作とまで言わないけれど、なんでこの本有名でないのだろうと不思議に思う位には良い本。