悪魔のハンマー ラリイ・ニーヴン、ジェリイ・パーネル

多分未読、ニーヴン、パーネルの一般向け彗星破滅物。

よくある彗星が落ちてくる話なのだが、この本は迎撃も何もなくて、なすすべもなくそのまま落ちてしまった後を書くのがちょっと違うところ。まあ核爆弾で彗星を迎撃するというのは実際現実的でないので、こうなる可能性の方が普通に高かったりするとか。

とはいえこの本の彗星は前に読んだシヴァ神のと違っておとなしく(あっちは直撃したら文明崩壊どころか人類、生物なにも残りませんレベルの巨大隕石なので)、まあまあ人類はほとんど壊滅して核ミサイルの戦争も始まって氷河期が来るくらい?普通の映画にある感じ。

内容的にはこの頃のベストセラー小説なので登場人物多めなのだが、さすがにパーネルでもこの人数は苦しいか。文明崩壊後の展開もありがちというか、さんざん様々なメディアで書かれてやりつくされている内容が続くので、まあ定石通りのディザスター物というか、最もこの本が原典である可能性も結構あるけれど。

という感じでだらだら最後まで来たのだが、最後の演説シーンで感動した。この本名作だよ。ここまでのダメダメな展開はこれを書くためにあったのかと思うと凄い。多分ニーヴンだと思うけどこの本が普通のサバイバル物でなくて、SFだったのだというのが解ったというか、自然に帰れとか宗教なんて逃避でしかなく、科学こそが大事なんだよというのがストレートに出ていて凄く納得した。

まあ原子力発電所の為に命を懸けろといわれると日本ではダメかもしれないが、、、ああでもこの本が書かれた77年でも原発は嫌われてるのだなあと思うとへーという感じ。