地球最後の日 フィリップ・ワイリー、エドウィン・バーマー

まだ発掘される彗星破滅物。30年代に書かれた本なのでかなり古典でこの手の小説の元祖らしい。でもこの本では彗星ではなくて、地球の何倍も大きい放浪惑星がやってきて地球を破壊する展開で、まあ彗星が地球に激突するという発想自体が無いころの話なのでそうなるのかと。

さらに凄いのが連星で来るもう片方が地球類似なのでそっちにロケットで移住するというとんでもない設定。というか宇宙船という発想が無かった?スペオペではないからか。。

で、世界最後の日に向けての進み方がなかなか現実的で、科学者集団と政府が情報をうまくコントロールして荒廃を防いだり、今後の事態を予測して行き当たりばったりにならないようにしている辺りが用意周到に書かれていて、何で後発の小説はこういうところを見習わなかったのだろうとか思ってしまう。

話の筋としてはタイトル通りで予想通りの展開だけれど、小説として良くかけているので、SF部分は時代掛かっているけど普通に面白い。まあ翻訳が新しいからかもしれないが。

あとこの本はSF小説な書かれ方してないというか、悪魔のハンマーもそうだけど一般向け小説な、冒険小説の変種みたいな感じが良いところなのかも。