無常の月 ラリイ・ニーヴン

新しい方を読んで、古い方の無常の月が気になって読んでみた。新しいのはベスト版だけれどこっちの方が好み。新しい方はせめて新訳だったらねえ。

面白いなと思ったのがテレポーテーションとかタイムパラドックスについてのSF小説としてのノンフィクションエッセイで、ニーヴンはあんまり科学の人ではないのだが、小説書くにあたって割と真面目に考えているのだなあと感心した。

あと、70年代の科学の知見で書いてるのもあって、かなり分かりやすい古典的な科学感というか、実際にはそんな簡単じゃないだろうと思うが、コンピュータが登場する前のSF小説というのはこのくらいで済むほど簡単だったんだなあと思う。

で、短編集としては少し前に読んだばかりなのにやはり表題作の出来の良さがすごい。作者としても奇跡的な一作だったのだなと思う。