不完全な死体 ラリイ・ニーヴン

シリーズ中編3つ。こっちの方が先に書かれたのか、主人公の紹介から書かれてるもの。

1つめは主人公と世界観の紹介と言う感じで、悪役を追い詰める復習物。主人公の超能力も普通に活かされていて、確かにこういう使い方でキャラクター設定考えてたのかと思うのだが、それが活かされてるかどうかは微妙。まあ宇宙服の中から物質透過出来るのは便利そう。

2つめ、臓器銀行ねた。まあ不老不死狙いで凍結人間を組み合わせると厳しいというか、解凍できるなら臓器くらい作れない物か?と思うのだが。
凍結人間を生き返らせてもしょうがないからそのまま臓器だけ使おうとか、凍結するような人間は駄目なやつというのはそうなのか?、この時代もうあったからなあ。
他のもそうだけど捜査官な主人公だけど設定と世界観ばかりで主人公の物語が弱いかな、、超能力で活躍すると言えばそうだけど、書きたいのはミステリより臓器銀行周辺の社会問題をやりたいんだろうねえ。
そして未来ネタをこの辺の狭い範囲にだけ集中してるからか、現代の問題から地続きに感じられるので、ある意味ディストピア小説な感じで、明るいノウンスペース物な世界観とは違うかな。
そういえばコンピータの描写が割と現代的で、資料をバッチで頼んでおくと翌日届いたり、70年代頃にしては違和感のない感じ。

3つめは実は最初に書かれたもののリライトとか、時間圧縮フィールドが絡んでる件を除けば普通の密室犯罪だが、、2つの事件が関係しあったり、容疑者を尋問したりとそれなりのミステリっぽい感じだけど、根本的にネタに無理があるというか、まあ上手いかどうかは、、