パッチワーク・ガール ラリイ・ニーヴン

なかなか古本屋で見つからなかったが、先日大阪行った際に発見したもの。挿絵が大量に入ってて、昔の創元の単行本は実験的なことしてたなあとか、もっとも外人が描いてるので原書がこうだったからか?

一応シリーズなので、ノウンスペースの世界観だが人類世界は月、小惑星帯までで、まだ宇宙人に出会う前なので独特な感じはない。普通の月都市での殺人事件を書いたSFミステリ。

とはいえ独特なのは臓器銀行のところで、ほぼこれが主題と言ってもいいような、移植前提で犯罪者の人権より臓器が優先されるというのは大分あれだ。冤罪でも簡単に臓器取り出してしまうし、、もっとも、安楽死絡みでヨーロッパの方では移植用に使う話があるとかで、臓器銀行は最近の幹細胞とか考えられなかった時代の産物と思ってたが、案外ありそうな感じもしてやばい。

話の方は全般にいまいちで、月都市で起こる密室殺人なのだけど、まさか氷でできた鏡でレーザーを反射しての殺人で、証拠は溶けてなくなってたとか、、氷で溶けてしまう凶器ネタをこんな未来で見るというのにはずっこけてしまった。。

主人公の超能力も活かしてないし、SF設定で何でもありではない、ある意味フェアなミステリなのかもしれないが、さすがにこれはねえ。