パラドックス・メン チャールズ・L・ハーネス

狭義のワイドスクリーンバロックとはこの本を指すという有名な本。まさか最近になってハーネスの本が出るとか驚き。著者の本は、現実創造を記念号で読んだだけだが、忘れられない名作と思っていて、で、サンリオの中でも人気のないウルフヘッドも買ってはあるけど読んでないというくらい。

大体において、この手の翻訳されなかった幻の名作は読んでみると、やっぱり翻訳されなかったのにはそれなりの理由があるのだなとわかるものだが、この本もまあそういう感じ。

全体的には変なスペオペ展開に謎のアイデアがごちゃまぜになってるもので、謎の宇宙論はえーとまあ、、新しい表現と思ったのが3次元+時間次元の4次元について、2次元の平面+時間の3次元として主人公が理解するのは面白い。時間を奥行にしてしまえば、映像的にも4次元がわかりやすくて?良いアイデアかも。。問題は主人公がこの奥行を移動できることですが(笑
そして例の光速に近づけば無限に重くなる理論から、高速を越えてればまあ銀河をかき混ぜられるくらい宇宙船は重くなって過去に戻るの、、かもね(笑

感想としては、今読むとなかなか苦しい感じで、昔のスぺオペからの飛躍はあまり感じないのだが、まあこの本も50年位の本なので十分昔の分類か。
まあ著者の短編、現実創造のインパクトが凄すぎたので、アイデアを活かし切ってない感じのこの本は私には微妙。これはそういう小説ではないというのが全てなんだけれど。例えばディレイニーの小説ほどには行き過ぎていないのが中途半端に感じるところなのかなあ。。