航路 コニー・ウィリス

コニー・ウィリスの本は基本、とにかく長いのであんまり読んでいない作家、長いというかくどいというか、前ドゥームズデイブック読んだとき、えらい苦労した記憶がある。
で、この本だが、読んでると翻訳のせいか、1人称なのに人物が入れ替わってる会話があって読み難い、加えて場面転換が飛ばされて先に進むのが多くて混乱する。この混ぜこぜな日本語は、原文がこうなのか?、こんなわかり難い小説を書く作家だったっけ?、まあ読めるけど。

読み終えてみると、意外なことにこの位ならくどいというか冗長という感じがしない。まあ現代の大作小説はこういうの多いからか。ただ、この本は臨死体験を書いてる本で、基本的にはあれなネタなので現実味を加えるため、かなりしつこく現実部分を書いてて、それが長く感じる原因だと思った。

全体に、後半に行くにしたがって無謀な展開が続くので、これはどうするのだろうかと不安だったのだが、最後はなかなか上手く着地していてさすがだと感じる。
そこそこ納得感があって、SFにもファンタジーにも行かずにこのネタを書ききるのは上手い。まあその分現実的過ぎて冒険心が足りないが(笑
ああでも過去の出来事を記憶から追体験する物語は昨今そこそこあるので、今読むと目新しさは無いか。