エンベディング イアン・ワトスン

ほとんどの本が積んであるけど最後まで読み通したのが1冊も無いくらい読み難い著者の第一作。とはいえ最近の翻訳なので読みやすくなってるはず、少なくともサンリオのよりは。

最初の方はかなりわけがわからない内容だったが、中盤で宇宙人が出てきた辺りで色々説明されて解りやすくなってきたような、と思っていたら後半の展開が色々端折られたりしてるうちに、何もかもぐちゃぐちゃになって終わってしまうので唖然とする。まあ新しい現実なんてのはそんな簡単に書けるものでもないだろうし、SFだからって安易にいかないのは良いんだけど。それにしたってこの内容は。。とはいえ、翻訳のためか小説としてまあまあ?普通に読めるし、変な迫力があって力の入った本だという感じはあるのでいいのか。

で、この本の主題は言語が定義する現実認識と思うけど、こういうのは昔々そういうのあったなという位だけど、それをSFにして宇宙人が宇宙の文明の言語を集約して別の現実へ到達とか言い出したりするのがなんとも凄い、よくこんな変な発想を小説にしようと思ったなという感じ。

そして読み終えて後書きを見ると、かなりわかりやすく説明されてて親切だなと思うけど、まあ言語のネタとかは今世紀の読者には解説されないとわからないよなあと。昔々は日本語の優位性とか真面目に語られてたりしてた時代があったんだよね。