デクストロ2接触 イアン・ワトスン マイクル・ビショップ

先ずこのタイトルは何故こうなったのか、、悪いほうで有名な本という感じ。しかし珍しい日本人女性主人公高橋さんで、京都の三十三間堂が重要な場所だったりと、さすがに日本で教鞭をとってたと言いつつ、学生闘争時代で休校してる間に観光した経験が活かされてる感じがある。

読み始めの感想としては、全然著者らしくない小説で、翻訳のせいなのかもしれないけど、全く別人の本としか思えない、共作だけれどマイクル・ビショップもあんまり優しい本を書く作家ではなかったはず。。とにかく登場人物がみんな解りやすく普通で、ストーリーも普通に進む。単に舞台がかなり未来のファーストコンタクト物だからか?それともデビューから10年?で小説を書き慣れてきたのか。

なんというか捻くれた本を期待して読んでるのに普通のSF小説を出された感じで違和感しかない。こういうのを求めて読んでいるわけではないのだけど、、と思っていたら中盤くらいで案の定宇宙人の目的は真実の宇宙と現実がどうとか言い出して、ああやっぱりなと安心する(笑。やっぱりこうでなくっちゃダメだよね。

そして例によって宇宙の真実にはたどり着けず失敗に終わるのだけど、小説としてちゃんと終わりまで書いてあって感心した。思ってたのと違うけどちゃんと納得する落ちが付いているところも普通の小説みたい、完成品になるまで編集者と推敲を重ねた様な感じがある。

ただ小説としての程度は上がってもアイデアが弱いのでその辺が残念。