サターン・デッドヒート2 ヘキシーの星のライオン グラント キャリン

そして続編に進む。前作の続きで宇宙人が残してくれた宇宙船で会いに行く話なのだが、その宇宙船で出発する前の準備の段階が長い、章立てが、出発前、旅行中、到着、帰り道の4分割だしね。

とにかく船長の面接をここまで事細かに書く小説ってなんなのか(笑、システムエンジニアリングという、プラント物とかの概念?で、所謂SEとは違う概念でのプロジェクト推進みたいな役割が出て来て面白い。
例によって宇宙船の出発までのスケジュールに組織図から、最後に横やりで仕様変更くらったり、やたら現実感あって辛いが(笑、これファーストコンタクト物の小説なのだが、人類初の栄誉なのになんで予算管理なんて問題があるのか(笑

とはいえこういう現実的なところをしっかり書いておくことで、宇宙人関係の部分の違和感を抑えるという意味では正しいのか。内容は古臭くともこの辺現代風に書いてあるだけでリアルに読めるので、リメイク物っぽい小説読んでる感じ。

話そのものは宇宙人に会いに行って帰ってくる物語で、最後の方のひねりが少し面白いけど前作ほどに凄い展開があるわけでなく、淡々と進むので割と薄目な感じ。とはいえ前作から続いて読むと登場人物が良く書けてるので普通に面白く読める。なので前作ほど名作ではないけれど、読んで損はない本。

宇宙人の描写も、人間そのまんまというのはまあともかく、モラル的なところやユーモアを重視しているという真面目な小説の世界観では一見無理がありそうな設定でもちゃんとまとめており、ストレートな宇宙人物としてはまあまあ良く出来ているのではと。

著者の他の本とか無いのかなと探したが、そもそも寡作で長編は未訳があと1冊?で、短編も少ししか無いマイナー作家だったのが残念。