マーシャン・インカ イアン・ワトスン

火星のテラフォーミングに向かう宇宙船の話と、火星の土を持ち帰った衛星が墜落して覚醒したインカ皇帝が反乱を起こすという話、、また現実の拡張がされるのだけど、火星の土の微生物が云々よりも死中生でミイラなので、だいぶオカルト入ってきていて微妙。まあでも意識下のメタプログラミングで認識を拡張するんだとか、その辺の理屈は悪くないのだけれど、なんというか、コリンウィルソンの小説が理屈っぽく書かれたオカルトと言うなら、これは逆から書いたら似てしまったという感じ。

話の展開は前2作と同じで、複数のストーリーが途中から絡み合って最後に衝突するもので、ミステリとかでもよくある図式だけれど、全然かけ離れた事物を無理やりつなげるアクロバットと、毎回懲りずに着地に失敗するこの展開がなんともまあらしいというか。。まあウィルソンなら恥ずかしげもなく新世界を書いて見せるけど、ここで失敗するのが現実的で良いのかも。

ただここまでだとエンベディングが一番良かったかな。