三体X 観想之宙 宝樹

別作家による準公式本?、3巻目の裏話みたいな話らしく、すっかり忘れていたので読み返そうかと思ったが、3巻はかなりだるい印象だったので諦め、巻末の3巻あらすじを頼りに読んでみることに。
というかこのあらすじ読んだけどこんな話だったっけ?、全然覚えていないな、あらすじによるとブラックホールに引きこもる計画まで出ていて、ますますゲイトウェイと思った。

そしてこの本だが、3巻で語られなかった部分が明かされるんだけど、なかなかえーみたいな説明が面白い。もう全然本編より面白い、本編だと無茶なとんでも展開に無理設定ばっかりだけど、こっちを読むとうまく補強されていて感動する。なんというか、読者の突っ込みどころを非常にうまく拾っていて、もう明らかに原作者はそんなに深く考えてないよねというところまで無理やりに援護してるのが凄い(笑。特に3巻は穴だらけなので、ダメ本も面白い本の材料となるのであれば許せるという感じか(笑

まあ原作から離れて一部やりすぎな感じもあって、こういう本は原作の世界観を少し拡張するくらいの塩梅がよさそうなものだが、その辺は作者の好みかな。。登場人物の扱いとかも原作者と大分違うけど、3巻読んだ人ならこっちの方が好みな向き多そう。

ただし小説と思うと構成というか色々微妙な感じで、前半は対話形式の設定集だし、中盤でオリジナル入って意外に面白いなと期待してたら終盤は肩透かしで終わってしまい、その上いろいろ蛇足なおまけはあるしで、本になるとは思ってなかったのならこんな感じだろうか。

特に気に入ったところといえば、原作で微妙だった二次元化攻撃のあたりを説明してるところで、確かひも理論だと時間ありの11次元だったはずだが、元の10次元から時間が分離して低次元化することでビッグバンから宇宙の晴れ上がりと大規模構造まで絡めて説明するあたり、宇宙ホラ話として良くできてて感心した。