巨神計画 シルヴァン・ヌーヴェル

最近の本だが、懐かしい感じの宇宙人ロボットもの。
驚くのが全編インタビュー形式で書かれていて、これで最後まで押し通すとは思わなかった。途中でリアルタイムに追いついてるところではこう書くのかみたいな目新しさはある。

そしてこの記述方式だからか、すごく狭い範囲だけ書かれてる小説で、なにしろ宇宙人の巨大ロボットを発掘しての世紀の大事件なわけだから、普通なら複数人視点での大規模小説になるところが、ほんの少人数の登場人物だけで成り立ってて、演劇みたいというか、いやこんな地球の一大事なのにパイロット個人の恋愛感情とかゴタゴタなんてどうでもいいだろうと苦痛になるくらい狭い範囲を書いた小説なのが面白い。

まあ狭い範囲にフォーカスしたのはある意味正解で、普通だったら見せ場になるシーンを飛ばしまくって進むので、描きたくないシーンは書かないというのはそれで正解なのかも。ロボットそのものとか、ロゼッタストーンとか、国連とか政治ネタになると微妙な感じなので、、とはいえロボットを書いてくれるかというとそうでもないし、著者の書きたいところと私の期待する読みたいところが合わないのが難。

まあ映画化するらしいので、それで絵だけでも見せてくれれば良いかな。。
そういえば北朝鮮が敵役で出てくるのも面白い、ロシアが味方だったりして、2016年らしい世界観かな。で国連で地球防衛軍になるわけだけど、いやあ国連にそんな幻想を持てるなんて、日本人ならともかく外人では珍しいかもね。

そしてラストは、、こんな要素を入れてしまって纏められるのか?、不安を覚えつつ次巻へ。