女王陛下のユリシーズ号 アリステア・マクリーン

多分未読。有名なのでだいたいこういう内容とは知っている程度。
古い翻訳というか原文がそうだからか、かなり硬い感じで、過酷な描写が延々続くので読むのも大変すぎる。。

戦争物なのだが、北極海なんかでやるものだから移動するだけでも大変で、せっかくの空母が波にのまれて甲板が折れ曲がって引き返してしまったり、この時代で極地で大嵐にあえば戦争どころでは無いって。
そしてそんな中での戦闘やるものだからもう酷いことに、ただあんまり戦闘描写に力が入ってないし、自然災害が強すぎるのもあって戦争物という感じがしない、そもそも出港するところから、既に疲れ果ててゾンビみたいになってる乗組員なので、戦争物らしい高揚感も、反戦的な厭世観も無いのが現実的というか、国でも故郷でも家族でもないという、まあこんな極限状態になれば、世の物語にあるような戦争する理由なんて成り立たないよなと思う。
そして主役側も無能という訳でもないのだが、敵側が上手すぎてひたすら負け続けていくだけの展開が続くので、かっこいい展開なんてまるでなし。ただまあ登場人物の最後についてはそれなりに泣かせる展開が用意してあって、その辺の感情面ではバランス取れてる感じ。