暗殺者の献身 マーク・グリーニー

前作のナイフ刺されたところからの続きで、病気なのに任務に行くとか無茶過ぎる。まあ優秀過ぎる主人公なのでこういうハンディキャップも必要なのか、それにしたって限度ってものがあるのでは。

この巻は複数の陰謀やらスパイ組織やらがたくさん出て来て複雑な展開になっており、解り易い展開だった前の巻からの落差が凄い。追う物追われるもの多すぎて整理しきれてない感じ。尾行している人間をさらに尾行していてとかコメディ展開かと。

まあそれでも終盤には上手くまとめていて、あんまり意外感は無いけどちゃんと収まるのだから著者の技量は確か。あともうひとひねり欲しいところだけれど。

そもそも国家間の陰謀でアメリカを戦争に引き込むためなんだよって言うけど、いやあこんな程度では無理でしょう。ウクライナでもあれなんだから。

そういえば一人称視点は前の巻だけの実験だったか、やっぱりこっちの方が違和感が無い。

あとグレイマン有名人過ぎる問題で、簡単に本人特定されてしまっては目立たない男なんて主題で活躍させるのは苦しいなという感じ。もう少しこの設定を活かした展開に出来ないものかと思うのだが。
で今回は次巻への引きが凄い。またまた敵対してしまって、こんな展開でシリーズの着地点も見えないしこの後どうするんだろうという感じ。それなのに現在翻訳されてるところまで全部読んでしまったので、早く次が読みたいところ。

この手のシリーズ物読む時に思うのだが、どこまで続くのかとか、一区切りつくところはどの辺にあるのかを最初に決めておいてほしい。年単位で間が空くと忘れてしまうんだよね。