特捜部Q 自撮りする女たち ユッシ・エーズラ・オールスン

社会保障に多少なりとも興味があれば、この巻の主人公はまさにそれだったので、今回は犯人側に圧倒的に共感した(笑
今までのこのシリーズの犯人はどれもきついのばかりだったけど本作は良かった、別の犯人グループがもっと酷かったので相対的に良く見えるというのもあるけど。
それなのに今までで一番酷い結末を用意されてしまうのが納得いかない(笑、だいたい前に犯人側の女の子で、あれだけ横領やっても最後は主人公が目をつぶって見逃してたのに、それまで真面目に生きてきたおばさんがちょっと?犯罪しただけでこの扱いとか酷いよ(笑
あと、社会派ミステリなら、この辺真面目に掘り下げるべきなんだけどねえ、4巻とかそういう感じだったのに、この本では全然深入りしないでコメディっぽく誤魔化してしまったけれど、本質的な問題は無視してるよね。。

しかし今回は話が上手かった、4つ5つもの別々の事件の繋ぎ方が凄くて、読んでいてどうなるんだろうという期待が裏切らなかったのは凄い。今までこのシリーズでも、冒頭あたりに出てくる別事件が全然関係なく終わることも多かったので、今回もブラフかと思ってたので上手く騙された。この数の事件を絡めて、複雑になりすぎないところで留めて、そして登場人物も抑えて進めるとか、素直に良くできてる。
まあ最後の方で1人追加してたけど、これくらいなら妥協の範囲でしょう。

このシリーズって、現代ものなのにコンピュータ関係がほとんど登場してなくて、たまにスマホが登場すると珍しいし、主人公も携帯で、しかも重要なところで電池切れで使えなくなっていて、こうやらないと主人公の活躍が難しいのだろうなと思う。ミレニアムは凄腕ハッカーで何でもありになり過ぎてやりすぎだったしね。

で主人公側のヒロインの人、こんなにめちゃくちゃな様子でしたっけ?、前の巻でのは分るけど、催眠術ネタはあんまりねえ。

最近知ったのだが、このシリーズは10巻完結予定で、デンマークでも年内に9巻が出るとかあって、まだ完結してなかったのね。もう全部買ってあると勘違いしていた。
そうなると9巻は速くて来年には出るとしても、最終巻?が翻訳されるのは今から3年後くらいで、とてもじゃないけど進行状況を覚えていられなささそう。とはいえこの分量をもう1回読み直すというのも厳しいし困った。
で、このシリーズ現実とリアルタイムに進んでいて、9巻はコロナ状況下での話のようでその辺はどう書かれてるのか興味ある。コナリーもそろそろコロナねたになってるかな?