レッド・メタル作戦発動 マーク・グリーニー

ウクライナ問題がてら、タイムリーなテーマの本を読んでみた。ただこの本ではウクライナは簡易な目標で、ウクライナの為に大規模侵攻なんてしないことになってるのだが、、

トムクランシーの後継者?だからか、レッドストーム作戦みたいな大規模な戦争小説で、限定とはいえ現代戦争をテーマに書いた中では評判良いらしく、私には解らないがあの装甲列車に目をつぶればリアルな戦争描写らしい。

今の現実の状況を見ると、この本のような緻密な検討とかされてないような雑な理由で戦争起こそうとしてるし、陽動というか報道は下手打ってばかりで、現実なんてこんなものだよねという感じだが、小説みたいなアクロバティックで出来過ぎな作戦を現実で真似るのは無理か。

例えばこの本ではNATOに奇襲攻撃するのだけど、これをリアルに真面目にやろうとすると、このくらい無茶な設定になってしまうのだなと言う感じで、現代戦を描くのは難しいなと思う。

とりあえず現代戦の戦争小説でクランシーなハイテクスリラーで、兵器やら作戦の解説が延々続くのが読んでいて懐かしい感じ。おかげで人物が類型的で描けてないけどその位は承知なのだろう。なにしろ舞台が飛び飛びで登場人物が多すぎる。大規模な戦争を描こうと思ったら仕方が無いし、そういう主題の小説じゃないということか。

ただそれを置いても小説としてあんまり上手くなくて、全体に戦闘に次ぐ戦闘で緩急が弱いというか、クライマックス感も弱く、昔クランシーの小説は下手だとよく言われてたけれど、こういう形の小説を書こうと思ったらやはりこうなってしまうのかという感じが強い。だがそれでも、この著者ならもうちょっとやりようがあるのではと思うのだが、、

でもまあこういう小説最近珍しいと思うが、単に翻訳されないだけで当然向こうでは大量に出てるんだよね。。あと専門用語の翻訳について微妙に違和感あるような、、