大停滞 タイラー コーエン

今になって読んだが、薄い本ということもあり、書評でほぼ言い尽くされている内容。
IT企業の雇用数の少なさを書いてもいるが、ITによる雇用削減の効果をもっと入れるべきではと思う。
自信過剰だったという考え方については、日本でバブル崩壊後、元に戻せると考えて借金を積み重ねた結果、もう無理だとあきらめるまでに相当かかってしまい、その後やって来たのが今の状態であるので、何処であきらめるかが問題か。
で結論が科学者の地位向上というのは、、それはさすがに無理かなと。例えば宇宙開発とか、スペースシャトルも引退し、国際宇宙ステーションもあと10年持つか?、その後に続くプロジェクトも見えにくい。昔は宇宙で新素材とか、新発明を期待する向きもあったが、今となっては全くコストに見合わないし、今後はせいぜい金持ち向けの宇宙観光くらいだろう。
他にもLHCとか、、統一理論が作れればという期待はわかるが、それが現実のレベルまで落ちてくるものなのかは?
日本についても少し言及されているが、今の借金漬けの日本が維持可能なものでないのは明白なので、こんな楽観的になることはできない。
この本はそういう意味では、世界が日本化してくれることで溜飲を下げることができるくらいか。。