鋼 ダン シモンズ

珍しいシモンズの普通小説、前に読んだダーウィンの剃刀と同じ路線というか、一応私立探偵物だが、大分殺伐とした内容。

しょっぱなから銃の蘊蓄が始まって、またかと思ったけどそれ以降はそうでもなかったのでちょっと安心した。

で、内容的にはそんなに複雑な話でもないのだが、主人公の行動を逐一書いてくれないので、途中で話が飛んだように見えるところが何か所もあって、そこで色々仕込んでいるので解り難く、この手のアクション小説らしからぬ凝った内容に加えて、ラテン語やらハムレットの引用とか、いやあ読者層違うんではないんですかねえと。。

とはいえこういう小説の期待通りのアクションというか暴力シーンもあって、最後の銃が出てくるところとか、ハムレットのラストとか、アイデアが凝ってて面白いのだが、なにかちぐはぐな感じ。シリーズ物の1作目を読み飛ばしたかのようなところがある。

どうでもいいけどoracle8.1でデータマイニングとか登場して笑ってしまう。この頃なんてメモリ4mbの世界だったし、あれはバグだらけで使えるのは8.3からだったよね。