果てしなき旅路  ゼナ・ヘンダースン

多分既読だが全然覚えていない、ピープルシリーズの1冊目。
一応宇宙から流れ着いた宇宙人の子孫という設定はSFなんだけど、超能力というよりほとんど魔法なので今ならファンタジーの範囲か。
50年代に書かれた短編集で、スランとかの迫害された超能力者テーマなのだが、基本の展開はどれも似てるのだけれど、これがバリエーションがあってよく出来てて、泣ける話ばかりなのもあってかなり感動した。児童向けみたいな話なのに安易な救いに逃げないところは凄い。

作者は本業が学校の先生ということで、子供とか学校とかまさにそのままを小説に書いてる感じがあって、先生もの?としてこんなに書けるのも納得の出来。

で「太陽をひとつかみとってつむじ風をつくる」とは、どういう表現なのか、原語はどうなんだろうと思うけど独特の感じが面白かった。

難点としてはタイトルとか聖書からの引用多数なのだが、私にはその辺の基礎教養が無いのであんまり伝わってなさそうなところか。

しかしこんな名作が絶版というか、少し前に再販されたけど2版というのは驚き。まあ売れそうな本には見えないか。