FREE 読了

最後まで読んだが、結論まで変わらず、いくつか書いてみるが、私の結論は
前提条件として経済が非常に好調に推移する世界でなら有効な概念であると
いうところは変わらなかった。
・フリーの事例を挙げているところについて、時系列を無視した引用が目立つ。
そのため、フリーモデルを始めて失敗した事例を無視しているし、最初は華々
しかった企業が多く出てくるのが難点。それでもセカンドライフに稿を少ししか
割かなかったのは慧眼か(笑)、久々に見る企業が並ぶのも面白い。
・ソフトウェアについて、フリーモデルと有料モデルを併用することで云々とか
出てくるすぐ先に、情報はフリーの重力で無料になるというところから、
クラック版が出るのでソフトウェアは無料には勝てないと来るのはどうなのかと。
・わかっていたが、マネタイズ面が弱い。既知のネタばかりで、この本は09年
に出たばかりだが、既に使い古されたネタが多すぎて、これを参考にするという
企業が出てくるとは思えない。
・09年度の本なのに、リーマンショック以降の世界観が反映されていない。
この辺り、バブル崩壊から何度も元に戻ると信じて失敗し、もはや何の期待も
なくなった日本と違い、まだ一時的に崩壊しても、元に戻ると信じられる処に
いるアメリカの違いか。個人的にはアメリカも日本に倣うと見ているが、、
・フリーモデル、希少価値のない世界で利益を上げるには、結論としては規模の
ビジネスによる寡占しかない?という結論になると思うのだが、これは結局
小規模ビジネスをフリーでつぶしてしまい、寡占企業の独占を招くだけなのでは
としか思えない。寡占企業でもフリーなら良いというかもしれないが、世界規模で
それをやられると、例えば雇用問題が出てくるため、早晩規制されるのではないか。