絹の家 シャーロック・ホームズ アンソニー・ホロヴィッツ

イギリス旅行を控えて、積読本を開く。
感想は、頑張ってはいるが、やはり現代的で今ひとつ。大層な肩書が付いてなければまあまあな出来だと思えないこともない。
最初に感じたのは読みやすいということで、今となっては注釈が必要なあの時代に書かれた半分古典な世界観ではないことが原因だろう。昔々原典を読んだ時には、映像化前なのもあって全く異文化で違和感のある小説で、登場人物も基本的には今に通じる不変なところはあるものの、変わったところが魅力だったとわかる。
この本はその点がかなり苦しくて、現代人が書くと頑張ってもわざとらしくなってしまい、読みやすいのだがそれが気になって仕方がなかった。
蛇足に感じるのは晩年から振り返るところで、こういう視点は入れないほうが良かったのではと思う。