20億の針 ハル・クレメント

新訳版ということで、多分再読。

この本も内容を完全に忘れていたが、1950年の本でこれなら確かに歴史的な名作でいいかもしれない。一応SF?扱いだったようだが、今読むともうSFではない普通小説な感じがして、それも出来が悪くないので素晴らしい。

宇宙人も違和感無く、、というより宇宙人らしさもなく、主人公との間もなかなかうまい感じで、この手の元祖とされるが、このバランス感覚は今ではなかなか難しいだろう。

難点はまあミステリ的な部分が弱いのだが、まあその辺はおまけと考えて、この時代の宇宙人ネタでSF小説を書いてこういう本が出来上がったという奇跡に感謝するべきか。