宇宙探偵マグナス・リドルフ ジャック ヴァンス

非常にもったいないので読むのにためらいを感じて閉まったままだったのだが、ついに読んでしまった。

ヴァンスと言えば魔王子シリーズを思い出す人間なので、まさにこれがその短編集という期待通りの内容。

かなり初期の頃の作品だが、それでも1950年台に入ってるので、そこまで大昔のスペオペではなかった。そもそもSFでミステリでもないし、まあ舞台はSFだし一応ミステリ分類に見えるだけの変な小説。

後付の知識で読むので、仕事とかは著者の実体験を書いてるだけなのではと思えるところがおかしい。風景描写も現実のどの辺をイメージしたのだろうかと考えてしまう。

意外なところとして、普通なハードSF?風味な話まであって、この頃の雑誌の方針だとこういう内容だったのかと思う。まあそれが活かせている感じはしないけれど。

ああ、しかしこの本が国書から出るというのは凄いと言えば凄い。まず売れるとは思えないのだが、それでも大量に残ったヴァンスの未翻訳書から少しは出てくれるのだろうか。。