賢者の石 コリン・ウィルソン

大昔挫折した記憶だけあったの一冊。

これは凄い、恐ろしい密度の一冊で、こんなに内容盛りだくさんで、著者の博識がこれでもかと満載されているのに、中盤あたりからラヴクラフトのオマージュというかパロディになってしまい、とんでもなく安っぽい話を書いてしまうというのは、あの当時なら問題なかったかもしれないが、今読むなんともったいないことか。

まあその辺は妥協するとして、真面目に神秘主義で人間を語ろうとした著者の努力と能力は凄いので、クトゥルー部分に目をつぶれれば、こんなに突き詰めて書かれた大作はほとんど見たこと無いレベルの小説?だと思う。